
【初出:2022年3月20日/最終更新:2025年6月22日】
美容師免許取得への道のりと、ヘナへの想い
私は50歳を目前に、美容師免許の取得を目指して学校に入学しました。
「いつかは取りたい」と思いながら、実に14年も先延ばしにしていた美容師免許の取得を決意した理由――それは、「白髪染めができます」と自信を持ってお客様に伝えたかったからです。
ヘナとの出会い、体験会の開催
私がヘナを取り扱い始めたのは、2004年頃のことです。当時はまだヘナの認知度も低く、「ヘナ頭皮パック体験会」として、体感していただく場を設けながら、その良さをお伝えしてきました。
加えて、お客様の体調や生活習慣にも配慮し、適切な使い方や日々のケアについてもご案内してきました。ヘナが頭皮にじんわりと広がる感覚や、自然な染まり具合、髪質の変化。
多くの方にその心地よさをご実感いただき、満足のお声を多数いただきました。シャンプーやスタイリング剤を控えることで、皮膚トラブルの軽減や体調の改善に繋がる方も増え、ヘナは単なる白髪染め以上の存在となっていったのです。
美容師免許と染色行為としての「ヘナ」
ヘナは白髪をオレンジ色に染め、インディゴを重ねることで、淡いブラウンからダークブラウンまで、好みに応じた色味に仕上がります。染色を重ねれば黒に近づけることも可能です。
しかし日本では、「髪を染める=染色行為」に該当し、美容師免許がなければ公に施術することができません。
ヘナの良さをもっと多くの人に伝えるには、どうしても美容師免許が必要でした。ただ、当時は通信課程に2年+インターン1年が必須で、仕事を続けながらの通学は難しく、入学を見送っていました。
モヤモヤの続く時間、そして転機
体験会を通して、ヘナのリラクゼーション作用を伝える中で、白髪染めとしての効果を正面から伝えられないことに、次第に葛藤を覚えるようになりました。
「本当はもっと伝えたい。でも、美容師免許がないから言えない。」
そんなジレンマを抱えたまま何年もが過ぎました。2008年頃、美容師免許取得の制度が見直され、通信課程3年でインターン不要になったことで、ようやく現実的な選択肢となりました。
けれどその頃には、結婚に伴う転居や卸事業の成長もあり、「もう必要ないかもしれない」と、またも先延ばしにしてしまいました。
鎌倉での葛藤と一念発起
その後、鎌倉に転居した私は、かつてのように体験会が上手く開催できなくなる状況に直面します。
制約の多い生活の中で、「お客様の喜ぶ顔を見たい」「癒しを提供したい」「ヘナ専門サロンを開きたい」という想いが再燃し、ようやく通信コースへの入学を決めたのです。
50歳を目前にした学生生活
3年間の学生生活は、簡単ではありませんでした。若い頃のようにいかない手の動き、初めて扱うウィッグとの格闘……それでも、学びの時間は本当に貴重で、「勉強することの大切さ」を再確認できました。
特に、美容師法の背景にある公衆衛生の歴史や、皮膚・人体の構造、衛生管理、消毒法などは、今後の施術においても大きな財産になると感じています。
通った学校は通信科のスクーリングが充実していて、技術面の課題はあったものの、全体として非常に満足しています。学校選びはとても重要だと痛感しました。
これからの目標と想い
コロナ禍や介護などの事情から、念願のヘナ専門サロンはまだオープンできていません。ですが、美容師免許を取得したことは一生の宝物です。
学びたいと思った時がそのタイミングであり、決断してよかったと心から思っています。いつか、必ずヘナ専門のヘアケアサロンを実現させる日を目指して、今できることを少しずつ進めていきたいと思っています。